「大阪・関西万博テーマウィークDOICリアルフォーラム」開催報告

2025年9月20日大阪・関西万博 (EXPO 2025) テーマウィーク会場にて、「大阪・関西万博テーマウィークDOICリアルフォーラム」を開催いたしました。

DOIC(Digital Open Innovation Campus)は、EXPO 2025を契機に、メタバースを活用した、イノベーション創出を目指す産学官連携のグローバルエコシステム構築プロジェクトであり、国内外40機関以上が参加しています。

本フォーラムは、EXPO 2025テーマウィークプログラム「地球の未来と生物多様性」に協賛し、地球規模の課題に対するアカデミアの役割を議論するとともに、DOIC参加機関や次回万博開催国であるサウジアラビア関係者の方々との対話や参加者同士の交流を通じて、国際的な連携の機会を広げる場となりました。

会場は万博会場内に設けられたため、一般参加には万博入場券が必要であり、当日は新規入場制限もかかるなど、セミクローズドな形式となりました。それにもかかわらず、産学共創機構の協賛機関を含む多くの参加者が集まり、活発なネットワーキングが展開されました。なお、本フォーラムはYouTubeでライブ配信されました。

概要

開催日時:2025年9月20日(土)17:30~20:30

開催場所:大阪・関西万博 テーマウィークスタジオ(WO1)

開催方式:対面、YouTubeライブ配信(https://www.youtube.com/live/cYh71j6ligo

主催:東京科学大学・産学共創機構、株式会社 文化資本創研

プログラム

  • 開会挨拶
  • 第一部「地球の未来と生物多様性保全においてアカデミアの果たすべき役割」基調講演&パネルディスカッション
  • 第二部「DOICのこれまでと今後について」「サウジアラビア万博に向けて」インタビュー、ダイアログ
  • 閉会挨拶

イベント開催レポート

フォーラムは二部構成で開催され、冒頭、本学・大嶋副学長より本フォーラムの趣旨と意義について説明がありました。

第一部では、「地球の未来と生物多様性保全にアカデミアの果たすべき役割」と題し、産業技術総合研究所G-QuATセンター長・益 一哉 氏による基調講演が行われました。益氏は、生物多様性が地球の安定性に不可欠であることを踏まえ、社会の柔軟性や創造性を支えるためには人財の多様性(Talent Diversity)が重要と協調しました。さらに、現代社会は基礎研究、応用研究(技術)と社会実装(ビジネス)が同時並行で進む「アジャイル・ダイナミック」な時代であり、人財育成と多様性の確保が重要課題であると述べるとともに、人材流動性の低さや、大学院教育のあり方など、アカデミアが直面する課題を提示しました。

続いて、大嶋副学長をモデレーターに、益 氏に加え、奈良先端科学技術大学院大学・塩﨑 一裕 学長、九州工業大学・三谷 康範 学長、北九州市立大学・柳井 雅人 学長がパネリストとして登壇しました。各大学の特色紹介を交えながら基調講演を踏まえたパネルディスカッションが展開され、人材育成と多様性の重要性について活発な議論が交わされました。

第二部では、「DOICのこれまでと今後」と題し、DOIC事務局(文化資本創研)の小林孝嗣代表よりDOICの概要紹介があり、続いて、DOIC参加大学(大阪公立大学、大阪大学、京都大学)や万博サポータなどによる活動紹介やDOICへの期待が語られました。さらに、次回EXPO開催国であるサウジアラビアから関係者を迎え、2030年サウジアラビア万博に向けた取り組みや想いなどが紹介されました。

本フォーラムは、地球の未来と生物多様性保全にアカデミアの果たすべき役割を再認識するとともに、DOICを通じた国際的な連携の可能性を広げる貴重な機会となりました。今後も、産学官の垣根を越えた協働を通じて、持続可能な未来の実現に向けた取り組みを加速してまいります。